FX-ONで販売されているEAの品評(第8回:Triple Bands System eurusd)

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ボリンジャーバンドの基本に則ったEAだから安心?

ということで、FX-ONで販売されているEAのレビューなどを行ってみたいと思います。今回レビュー対象にするのは、Triple Bands System eurusdです。

今年に入ってから販売開始になりましたが、フォワード間もないころから飛ぶように売れたEAです。現在は110本売れていますが、売れる毎に少しずつ値段が上がっていく仕組みのようで、6月4日現在の価格は25,800円です。

FX-ONの公式フォワードを見ると、この半年では着実に利益を上げているかなと言った印象のEAです。

どんなEA?

作者の販売ページに記載されているEA情報の中で、ポイントとなりそうなところを引用してみました。

3つのボリンジャー化したオリジナルインジケーターにより、時間帯を狙い逆張りボジションを持ちます。また、強いシグナルが出た時には決済せず、そのまま利益を伸ばしていきます。
ドテン買い、ドテン売りにより、さらに高収益を上げていきます。

ドローダウンが小さく、ドローダウン期間(バックテストでは最大2か月)も短く、長期安定しているのが特徴です。

ボラティリィティの小さい年は収益が小さくなりますが、大きい年程収益が大きくなります。また、ボラティリティが極度に小さい時や大きい時は取引しませんので年末年始等、相場に応じてEAを停止させることはありません。

ボリンジャーバンドは私もよく使うテクニカルなので、それだけで若干の親近感を感じてしまいますw ボラティリティが大きい時にエントリーする・強いシグナルのときは追従していくという記述から、おそらくバンドが拡大するときの動きを取りに行く形なのかと思います。また時間があれば、取引履歴をチャートに落とし込むなどの分析も進めたいと思っていますが、とりあえず今回はマクロ的な分析を行っていきたいと思います。

検証ポイント① 極度なカーブフィッティングをしていないか?

パラメータによる過度なカーブフィッティングをしていないか、ということを検証してみようかと思いましたが、このEAもあまり触れるパラメータはありません。TP/SLを設定できるのと、あとはエントリーの時間帯を決められるというくらいの設定項目です。また、バックテストでのストップロス率は5.8%とそれほど高くはないですし、後でも出てきますが、得意な時間帯はあるものの、苦手というまでの時間帯もなく、あまりパラメータによる調整余地はないのではないかなと思います。

しかしながら、「だからカーブフィッティングしていない優秀なEAだ」と言い切ることは出来ません。ボリンジャーバンドを使っている以上、少なくとも対象区間の指定は内部パラメータとして持っているでしょうし。

参考記事:「パラメータの多いEAは危険」ということを盲信することの危険

ということで、もうちょっと考察を深めていってみましょう。

検証ポイント② バックテストとフォワードテストとの乖離はないか?

フォワード期間は半年ほどとまだ長くはないですが、基本データを比較してみることにしましょう。

評価項目 バックテスト フォワードテスト
勝率 69.49% 66.51%
平均利益 21.54ドル 1,336円
平均損失 -20.82ドル -1,647円
平均利益÷平均損失 103.46% 81.11%
PF 2.36 1.61
平均保有時間 4時間13分9秒 3時間53分5秒

バックテストよりは若干不本意な成績、といったところでしょうか。比較がドルと円であり、超円高時代もバックテスト時期に含まれていることから、額自体の差分はあまり気にしないとしても、平均損失に対する平均利益を見ると、過去と比べて少し弱めですね。今年はまだ本EAの面目躍如となる相場は来ていないということになるでしょうか。

平均のポジション保有時間は、バックテスト・フォワードテストともにおおよそ4時間前後になるようです。決着までの時間が短く、精神面に優しいデイトレ型EAといえますね。ちなみにCDFはこんな感じです。特に傾向の違いは見えていません。

概ね、バックテストと近い傾向を示しているので、フォワードテストの信頼性は比較的高いのではないかなと思われます。

検証ポイント③ 年ごとの成績はどうなっているか?

作者の言では、ボラティリティの高い年ではパフォーマンスが高いと言うことです。つまり・・・リーマンショック~ユーロ危機の2008年~2014年ころまではいい成績で、動きの小さかった2015年~2016年あたりは悪い成績になるのかな?という想像をもって集計してみました。

バックテスト結果

フォワードテスト結果

※2015年は12月からの成績、2017年は6月2日までの成績。

おおよそ、見立て通りです。ボラティリティの高い、荒れた相場の時に力を発揮するようなEAということになるでしょうか(大暴落した2014年の成績があまり良くないのは、若干気になりますが)。とは言え、動きの小さかった2016年の成績がマイナスというわけではなく、なんとかトントンで終われているあたり、苦手相場のときのフィルターロジックも優秀なのでは?と思われます。比較的安心して任せられそうかなとは思います。

また、フォワードでは売りエントリーの成績が比較的良いようですが、バックテスト上は特に大きな違いがある、というわけでもなさそうです。2017年は比較的上げ相場なのにもかかわらず、ショートのほうが成績が良いというのは少し意外ですね。

検証ポイント④ 約定時間別の集計

エントリー時間を指定できるパラメータがあるので、時間帯ごとに得意とか苦手があるのかなと思って調べてみました。深夜帯はあまり得意ではないのかなーとは思いますが、とはいえマイナスというわけでもないので、あまりトレード時間の制限は意識しなくても良さそうです。ただ、実運用だと深夜帯はスプレッドが広がりがちなので、FXトレードフィナンシャルとか深夜にスプレッドが大きく開くような業者では、時間帯制約をつけるのも良いかもしれないですね。

※EETなので7時間ずれています。7を足したものが日本時間だと思ってください。

【結論】放置しておいても比較的安心できるEA、かもしれない。動きの小さいときは止めても良いかも

ということで、今回はTriple Bands Systemの検証を行ってみました。最近は他の目立つEAが台頭してきたのであまり露出は無いですが、地味に利益を積み上げてくれているということもあり、再ブレイクする可能性もあるのではないかなと思います。

後20本で値上げ、その後も売れる毎に値上げしていく・・・と、常に目の前に人参をぶら下げるという少しヤラシイ売り方ではありますが、システム自体は信頼に値するものなのかな、という感触を持ちました。気になっている方の参考になれば幸いです。

逆張りと順張りのハイブリッドシステム
Triple Bands System eurusd
Triple Bands System eurusd | fx-on.com
以上です。

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