【プチコラム】「損大利小」はダメなのか?

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重要なのはプロフィットファクター

FXをやる上で重要とされているのは、「損小利大」の考え方です。

・・・で、早速ですが、ここで疑問を投げかけてみます。

「本当にそうなのか?」

私は、必ずしもそうではないと考えます。

確かに、相場には明らかにランダムではない一方性が生まれることがあり、そこの優位性をつかむ手法がトレンドフォローの基本となる考え方です。トレンドフォローの場合、ここで我慢できないとダメ、と言うのはそのとおりだと思います。

ただ、これがすべての手法に当てはまるわけではないのです。含み損を耐えながらも、反転するまで我慢し続けるというのも立派な手法ですし、それでも、ポリシーが理にかなっていれば資産を増やしていくことが出来ます。

手法を評価する上で必要な要素は、プロフィットファクターです。総利益を総損失で割った値ですね。これが1を超えていれば、勝てる手法というわけです。

(「利確時の平均利益」×「勝率」)/(「損切り時の平均損失」×「敗率」)

と言ったほうがわかりやすいかも知れません。

損大利小の考え方というのは、勝率が高い手法というわけでもあるので、要はこの掛け算がたくさん積み上がっていれば問題ないわけです。

損大利小のロジックが危険な理由は?

・・・といいながら、ここで全く逆のことを言います。損大利小ロジックは、物によっては本当にダメな可能性があります。以下、2点において、危険性があります。

勝率の微妙なブレで成績が大きく変わってしまう

極端な例を挙げてみましょう。

勝率95%だけど、利確時の利益が1,000円、損切り時の損失が9,000円というロジックがあったとしましょう。

このロジックの真のプロフィットファクターは2.11。優秀なロジックです。ただ、どうでしょう。このロジックを使い、10回のトレードで2回以上負ける確率は8.6%。決して無い確率ではありませんね。対して、1回負ける確率は32%、1回も負けない確率は60%。それぞれのプロフィットファクターは0.44、1、∞と、まさに微妙な差で天国と地獄という感じです。

つまり・・・損大利小のロジックだと、この辺の微妙な勝敗によるブレが大きく、多くのサンプルが必要になるわけですね。このケースでは有用なロジックなので良いですが、良くないロジックであった場合の判定も遅れてしまうということになります。

検証サンプルが少ない

更に困ったことに、勝率が高い分、負けトレードのサンプル数自体も少ないという二重苦に陥ってしまうわけです。それだけ色々な相場への適用性を判断できない、ということが言えるのかなと思います。損大利小のロジックほど、検証がとても重要だというわけですね。

でも、損小利大も同じ話

でもこれ、損小利大のロジックでもまったく逆の観点(勝数のサンプル)で同じことが言えてしまうわけです。まあ、要は私が言いたかったのは、手法やEAの検証をする場合には、勝ち・負けそれぞれのトレードサンプルを十分に取ることが大事です、ということですね。

言いたかったのは・・・

感の良い方は感づいているかもしれませんが、つまり、私が本当に言いたかったのは・・・ナンピンマーチン手法はとても危険だと言うことなんですね。

ナンピンマーチン手法は、上記の定義に当てはめるのであれば、「損超大利超小」と言えるロジックです。勝率99.99・・・%で破綻するまでやる、ということですね。

つまり・・・この手法には負けトレードのサンプルが一つもないわけです。これほど危険なことはないということが分かっていただけるのではないでしょうか。

まあ、そういうわけで、「損大利小が決して悪いわけではないが、しっかりと負けのサンプルも取れたバックテストを信用しましょう」というのが、手法やEAを評価する上での一つのポイントになるのではないかなと言う、私の見解です。

ということで、とりとめもありませんでしたが、以上です。

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